ダビデのコラム

トリノの伝説な建物:Mole Antonelliana



「La Mole Antonelliana」(モーレ・アントネリアーナ)は、ノヴァラ出身の建築家Alessandro Antonelli(アレッサンドロ・アントネッリ)の設計で、1863年に着工されたトリノのシンボルともいえる塔です。本来はユダヤ教の礼拝堂として着想されたものですが、1878年にトリノ市によって、イタリア統一の記念碑として買い上げられました。
この建物がその完成を見るのは1889年で、(前年に90歳で亡くなった)アントネッリではなく彼の息子コスタンツォによるものです。そうやって167,5メートルの高さを誇るヨーロッパ一高い石造りの建物となりました。
1961年には、イタリア統一100年を祝ってパノラマエレベーターを稼働させました。1999年には刷新され、"tempietto"と呼ばれる眺望台まで上がることが出来るようになり、そこからは市街の景色や円形劇場のごとくその周囲を囲んでいるアルプス山脈の素晴らしい景色を360度見渡すことが可能になりました。透明クリスタルで出来た吹き抜けタイプのエレベーターは、59秒で乗車位置である地上10メートルの高さから85メートルの到着地点まで、直通で一気に駆け上がります。
2000年には、"Luci d'Artista"(アーティストの光)というプロジェクトの誕生を機に外観の照明が整備されて、クーポラの側面にMario Merzの手による「Il volo dei numeri(数字の飛行)」というイルミネーションが浮かび上がりました。そこにはフィボナッチ数の最初の数列が現れますが、それは多くの自然界の現象に見られる爆発性や、一見したところ混沌としているその成長プロセスの典型を表現し得る、光によるひとつの概念的なインスタレーションであるとされました。
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