ダビデのコラム

トリノの前菜



ピエモンテ料理が美食としてその名声が高いのは、何よりこの地元産の素材の良さに負うところが大きく、それは平野あり湖あり丘陵地あり、そして山ありの多様多形の自然の地の利からくる賜物です。
特徴的なピエモンテ料理は、冷製&温かなアンティパスト(前菜)から、種々のお肉を使ったバラエティーに富んだプリモ・ピアット、ハム・サラミ類、野菜の詰め物、フレッシュな野菜サラダや、そして生肉サラダ等々ありますが、この生肉サラダとは、l'insalata di carne cruda all'albese(アルバ風生肉のサラダ)のことで、ピエモンテ産の生の牛フィレをオリーブオイルとレモンで和えた料理で、ピエモンテの典型的なメニューです。
その中で別格なのはbagna cauda(バーニャ・カウダ)。ニンニクとアンチョビをオリーブオイルで煮込み、その他様々な材料を加えたソースがベースとなります。食卓では、bagna cauda(温かいオイル)の名のごとくオイルを温めそして保温ができる、直火用のコンロ付の素焼きの小さな鍋を囲みながら、野菜が豊富なこの州ならでの様々な新鮮な生の切り野菜を、そのオイルに浸していただきます。
そして我がピエモンテ州にはチーズに関しても大いなる伝統があり、それは牛の飼育における素晴らしい伝統と直接かかわっています。特筆すべきとしては、Gorgonzola(ゴルゴンゾーラ)、Robiola di Roccaverano(ロビオーラ・ディ・ロッカヴェラーノ)、Murazzano(ムラッツァーノ)、Toma delle Langhe(トーマ・デッレ・ランゲ)、 Castelmagno(カステルマーニョ)、 Raschera(ラスケーラ)、Grasso d'Alpe(グラッソ・ダルペ)、そしてこれらの主役の他にも忘れてはならない美味なるチーズとして、ピエモンテ全州で生産されるTomini(トミーニ)、Paglierine(パリエリーネ)、 そしてseirass (セイラッス=リコッタのピエモンテ方言) があります。
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