ダビデのコラム

トリノ:San Giovanniのお祭り



トリノでSan Giovanni(聖ジョバンニ)と聞けば、すぐに"花火"と"お祭り騒ぎ"が思い出されます。6月24日は聖ジョバンニの祝日で、ここサヴォイアの街は休日一色となり、この日を待ちかねていた人々は広場に集い、そしてお祭りを楽しみます。
このお祭りはその発祥も定かではない、古代よりずっと永きに渡って続いている伝統行事です。
聖ジョバンニのお祭りは、夏至祭(起源は自然崇拝のお祭り)と一致するもので、地球に対する月の支配権を太陽に引き渡す引継ぎ日とされ、一年の中で一番夜が短い日に行われます。夏至祭は、この転換への不安に対して悪魔払いをし、邪気エネルギーに満ちていると考えられていたその一夜を無難に過ごすために必要な儀式で、山や丘の上でかがり火を焚き悪魔や魔女を追い払い、厄病を遠ざけるものとされてきました。
聖ジョバンニは、記憶の彼方のはるか昔よりトリノの守護聖人であり、トリノでは中世の時代よりこの守護聖人を祝う為の2日間に渡る祭日を誇りとしてきました。この伝統行事は1800年代の半ばに一旦中断されましたが、1971年に復活されました。今日では、単なる儀式的性格なお祭りと位置づけされていますが、伝統衣装を着た人が行列を組み、大聖堂には婚姻のミサのキャンドルが灯され、慈悲の捧げもの(胡椒とサフランを練った恵みのパンで市・軍・教会当局に奉献されたもの)が供えられ、縁起物のかがり火をにぎやかに灯す伝統が受け継がれています。
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