ダビデのコラム

ピエモンテ州のPolenta



Polenta(ポレンタ)とは、古代より存在する、イタリアが起源の穀物を挽いた粉を指します。イタリアのほぼ全域で様々な種類のポレンタの存在が知られていますが、過去においては、北イタリアのアルプス地方やピエモンテ州の様なアルプスの麓にある地域で食される貧しい人々の食糧として作られたものでした。
ポレンタのベースとなる穀物の中で圧倒的に使用されているものは15世紀にアメリカよりヨーロッパに入ってきたトウモロコシで、その粉で作ったポレンタは特徴的な黄色の色をしていますが、それまではもっとくすんだ色をしていました。なぜならそれまではスペルト小麦やライ麦、さらにアジアから入ってきたソバを利用して作られていたからです。
ポレンタは、水と穀物の粉(粗挽きタイプのみ)を練りあげて作った粥状の物で、現在ヨーロッパにおいて一般的に普及しているものは、グラントゥルコと呼ばれるトウモロコシから作られる、黄色の色をもつ典型的なタイプです。
この粉を(伝統的なものだと銅製の)大なべの中で沸騰させた塩を加えた湯に振り入れて、"cannella"と呼ばれるハシバミの木の棒で最低でも1時間、焦げ付かないようにかき混ぜて作ります。最近では数分という短時間で作れるインスタントのポレンタも生産されています。又、ポレンタの粉は"bramata"と呼ばれる石で挽かれ、挽き具合の大きさは、その地域の生産品の伝統によります。
ポレンタは通常丸い形をした木の板にのって布で覆いをされた状態で食卓にのぼりますが、その硬さ具合によりスプーンを使って、また木のナイフや、綿糸を下から上に通す要領で一切れずつに分けられて、それぞれに提供されます。
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