ダビデのコラム

ピエモンテ州のケラスコのボネ



Bonèt (発音はボネ、"ネ"の方にアクセントあり) は、古い伝統を持つ典型的なピエモンテのプディングの一種で、たまご・砂糖・牛乳・ラム酒・アマレット(リキュール)をベースにして作られます。またチョコレートやカカオが入っている場合もあります。
この名前の由来ははっきりしていませんが、様々な説が交錯しています。
まず、ピエモンテの言葉で「Bonèt」とは帽子または円形の(ひさし付)帽子のことを指しますが、このプディングを作る為の低い円錐形をしている型が、その帽子の形に似ていることからその名前が来ているという説があります。
実際に、プディングやフラン(パイの一種)を作っていた銅製の型は、Bonèt ëd cusina、つまり台所の帽子、コックさんの帽子というような名前で呼ばれていました。そこで、その"型の名前"がそのままこのドルチェの名前になったという説もあります。
また、このプディング発祥の地のひとつであるランゲ地方で伝えられている、もうひとつの解釈としては、このプディングはデザートとしていつも食事の後に出てくることから帽子と呼ばれるようになったという説です。つまり人々が出かける際の支度として、"最後に帽子をかぶる"ことから、昼食や夕食の締めくくりとして最後に出てくるこのデザートのことも同様にBonètと呼んだということです。
そしてピエモンテの家庭でおばあちゃんが手作りするボネには、伝統的にラム酒ではなく「Fernet(フェルネット)」というリキュールが使われていたそうですが、それはこのリキュールが食後の消化促進に効果があるという理由によるものでした。
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