ダビデのコラム

ピエモンテ州のブルス



Brus(ブルス)は、Alta Langaで生産されるクーネオ地域の特産品ですが、ただこれを"正真正銘のチーズ"とみなすことはできません。なぜならこれは数種類のチーズから出た余り物(特にその外側の固くなった皮にあたる部分)に新鮮な牛乳を少量加えて混ぜ合わせたものから出来ており、それを寒冷な場所で再発酵させ、その後はグラッパやコニャックを使って発酵を止めるという工程で作られているからです。
このブルスはクリーミーでやわらかく、"塗るチース"タイプに仕上がります。
味わいは、塩が効いておりそのままで食べると強烈ですが、ポレンタやパンの様な味気の薄いものやオーブンで焼いた食材などと合わせると、その良さが引き立ちます。
Brusという言葉は、おそらくフランス語のbrusseから来ており、ヒツジのミルクから作られる凝乳物のことを指します。
しかしこの名前も、Brusと同じものが作られている各地域でその名前が変わってきます。Alto Eporediese 地方(トリノ県)では「Serniun」となり、Walser dell'Ossola地方(ヴェルバニア県)では「Zuvi」、そしてDemonte地方(クーネオ県)では「Cachata」という具合です。また「Sargnon」という名前もあります。
他にも、このチーズを作るときに使われる素焼きの壺の名前から「Tupinà」と呼ばれる場合もあります。
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