ダビデのコラム

ピエモンテ州のトーマ・チーズ



ピエモンテ州はいつの時代も偉大なチーズの生産地で、数多くの特産チーズの名前の中にもその影響を与えてきました。その中でも確実のものが「Toma Piemontese (トーマ・ピエモンテーゼ)」で、まずアルプスの牧場で誕生して、何世紀もの間に徐々に谷間に降りてきて広く普及した、おそらく一番歴史のあるチーズですが、その誕生地、そこを取り囲む山々とは切っても切れない深いつながりを持つこの土地の名前、つまり"Toma"という地名でもって、このチーズの特徴を表現するのがより良い方法であることには間違いないでしょう。
そしてトーマという名前は人々の歴史の中で、さらに他の普及地域の地名と結びついて呼ばれるようになりました。いくつかを挙げればToma di Ormea(Ormeaのトーマ)、 Toma di Biella(Biellaのトーマ), Toma di Susa(Susaのトーマ), Toma di Piode(Piodeのトーマ), Toma di Boves(Bovesのトーマ), Toma di Lanzo(Lanzoのトーマ)等ですが、どれもがトーマ同様の製品でトーマから発想を得て作られた同型のチーズです。そのうちにそれらを含む同型チーズの生産地域がピエモンテ州で大きく拡大されていったことから、この"ピエモンンテ"という土地全体に根付いたこの伝統を尊重し、それらの全てをひとまとめにして「トーマ・ピエモンテーゼ」、つまり「ピエモンテのトーマ」と呼ばれるようになったのです。
トーマ・ピエモンテーゼの味覚の特徴ですが、その伝統の生産方法により全乳を使って作ったか、または低脂肪乳(スキムミルク)で作ったかで、違った風味が味わえます。

Raschera (ラスケーラ) は、牛の乳で作られるチーズでピエモンテの特産品の一つですが、さらに正確に言えばクーネオ県のMonregalese地方が特産地です。
このチーズはDOP(原産地名称保護商品)の称号を持ち、形は丸型か四角形ですが、最近では利便性を優先した小さな四角型のタイプが多く生産されています。
その名前に関してはMonregalese地方のMagliano Alpi村にある一連の牧場の名前に由来したものと考えられています。またラスケーラの初期の歴史に関しては、1400年代までさかのぼることができ、このチーズについての文献が存在します。
そしてその生産地は、DOPの規則によればクーネオ県全域がその範囲として認められています。ラスケーラの中でも特に「ラスケーラ・ダルペッジョ」と呼ばれ、他の物とは一線を画しているものは、標高900m以上の高地で生産され熟成されたチーズで、次がその生産限定地域です:Frabosa Soprana、 Frabosa Sottana、 Valcasottoと接しているGaressio の地域、 Ormea と接しているMagliano Alpiの一部地域、 Montalto Mondovì、 Ormea、Pamparato、Roburent e、それからRoccaforte Mondovìとなります。

熟成タイプのラスケーラは味が濃く、(塩)辛いタイプのチーズです。それに対して、ラスケーラ・ダルペッジョはアルプスの高原の草を思わせる特徴的な香りが評価されています。
このラスケーラを使っての料理としては、チーズフォンドデュや、Nizza Monferrato産のカルドンをあらかじめ湯がいたものに溶かしたラスケーラを和えた料理や、他にもラスケーラ・リゾットなども作れます。
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