ダビデのコラム

トリノ:Rondò della Forca



トリノにおいて死刑執行が行われていた場所は、"Rondò della Forca"(絞首台の広場)と呼ばれていた場所で、その名前からも簡単に想像ができますが、実際に1863年まで公開絞首刑が行われていました。
ナポレオン統治時代には、現在のCarlina広場ではギロチン刑が執行されていたにも関わらず、皮肉なことには"Place de la Liberté"(自由の広場)と呼ばれており、また四つ裂きの刑はSan Carlo 広場や Castello広場で行われていました
絞首刑の執行は、1889年に当時の法務大臣であるGiuseppe Zanardelli(ジュゼッペ・ザナルデッリ)により廃止されましたが、その時まで「死刑執行人」達は、死刑執行をすることは公的な役目だったにも関わらず、町の人々からは疎まれ、収入は良かったものの人々から隠れるように孤独に生きていかなければなりませんでした。
人々は死刑執行人が他の人間に死を与えることにより金銭を得ていることを受けいれられず、そのためにFaussいう蔑称で呼び、その"公的な仕事"に対してお金を払うことや、執行をしてくれたことに対してねぎらうべき場合にも、それらをしぶる態度を示しました。
こういう話もあります。死刑執行人が裁判所に対してその給料の申請に行く場合には、その裁判所長はきっちりと手袋をはめてからその支払許可書にサインをし、その支払を行う係員は暖炉から取ってきた火箸を使って、死刑執行人を待たせてある場所によって階段の上から又は窓から、お金を投げ与えたということです。このことから「prendere con le molle=火箸を使って扱う」とう表現で「腫れ物に触るように人を遇する」という意味の言い方が生まれたとされています。
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