ダビデのコラム

食パンが生まれたところはトリノ?



死刑執行人とその家族たちは、町の人々からの"殺人者との共存は受け入れられない"と言う態度に、日々忍耐を強いられていました。死刑というもが存在していた当時、その執行は正義にかなった仕事であったにもかかわらずです。
お店の中には、死刑執行人とその家族に対しては、支払い時に"人を殺したことで手に入れた"お金を洗わせるための鉢を突き出すところまでありました。
パン職人たちは、侮蔑の意味を込めてパンをさかさまにして提供していたので(縁起が悪いとされる)、死刑執行人達は当局に繰り返し抗議を起こし、ついには法令でその行為を禁止するまでにいたりましたが、パン職人の何人かはレンガと同じ角柱の異様な形のパンを作りはじめ、(あいかわらずさかさまにパンを提供したとしても)死刑執行人達に文句を言わせないように上下を均一なものにしました。
この法の網をくぐりぬけ、Boja Fauss(軽蔑すべき死刑執行人)に対する侮辱を示し続けることになったこの伝説のパンこそ、pancarré(四角型の食パン)の起源です。そして何十年かの月日の中で、この四角型をした異様なパンが、現在は"Tramezzino"(トラメッツィーノ)として知られている"サンドウィッチ"という美味なる物の誕生につながっていったのでした。
トラメッツィーノの生みの親と言えば、トリノのCastello広場にあるCaffè Mulassano
(カフェ・ムラッサーノ)で、イタリアにおいては1925年に初めてここで作られたそうです。そして今日でも40種類以上のバリエーションを持つトラメッツィーノを提供し続けています。
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