ダビデのコラム

上演までの道のり 第2幕

出演者やスタッフがどのような準備をして上演の日を迎えるのか、今回はその続きです。7月1日(日)上演のKitaraオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」における約1週間前の流れになります。いよいよ本番間近!という頃です。
*前回のコラムでは【音楽稽古】【ディクション指導】【立ち稽古】【企画運営者のお仕事】についてのお話でした。

【通し稽古】
音楽稽古、立ち稽古がひと通りでき上がると、最初から最後まで通してみます。これは、稽古の最終段階で行います。今回の公演でも、昨年秋から始まった稽古で、通し稽古を行うのは本番の1週間前。この稽古で改めて全体の流れを確認します。自分の出ていない時間の水分補給や糖分補給についても計算!

【衣装合わせ】
事前に提出していた自分のサイズに合わせて、衣装が届きます。衣装とのご対面は、本当にわくわくする瞬間です。実際に着てみて自由に動けるか、息を吸った時に苦しくないか、などのチェックをします。必要があれば、衣装担当の方に幅を詰めてもらったり、広げてもらったりします。この時、かつらを使う場合にはそれを合わせたり、靴を合わせたりもします。

【オケ合わせ】
オーケストラと合わせる稽古です。それまではコレペティートアがオーケストラの部分をピアノで弾いてきましたが、ついにオーケストラの演奏で歌うことになります。ピアノとは音の聞こえ方がかなり違うため、その響きに慣れる必要があります。今回は札幌交響楽団のオーケストラによる上演。歌い手一同もこの日が待ち遠しいオケ合わせです。

【場当たり】
ホールの舞台を使って練習ができるようになるのは、本番の数日前(それまではリハーサル室という部屋の床に、ステージの形にビニールテープを貼って(バミリ)、練習をしています)。実際の舞台で、出はけ(どこから出て、どこに引っ込むか)や立ち位置などの確認をします。

【ゲネプロ、ゲーペー(GP)】
ドイツ語のゲネラルプローベの略です。General(ゲネラル)=総合、Probe(プローベ)=稽古、総練習とでもいったら良いでしょうか。衣装もかつらもメイクも、照明なども全て本番通りに行われる稽古です。英語圏ではドレスリハーサルと言うようです。
イタリア語ではProva generale(プローヴァ ジェネラーレ)。ちなみに…イタリアでは稽古のことはProvaといいます。Provare(プロヴァーレ)は「練習する」の他に「試してみる、経験する」という意味もあります。ここまでのProvaでお互いのアイディアを出し合ってProvareしてきたことの結晶が舞台で花開くのです。

【その裏で…】
セットを組み、照明を当て、衣装を整え、公演の進行を管理し…オペラの舞台の裏では、お客様の目に触れないところで、たくさんの人が公演を支えています。前回のKitaraオペラ「フィガロの結婚」(2010年)での舞台準備の写真をちょっとだけ公開!なかなか見ることのできない貴重なシーンです。

teatro1

teatro2

【KitaraHP】http://www.kitara-sapporo.or.jp/event/?p=22310

文責: 小平明子

お問い合わせフォームへ
このエントリーをはてな
ブックマークに追加 Clip to Evernote mixiチェック