ダビデのコラム

オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」の魅力

公演まで2週間を切りました!今回は、札幌コンサートホール15周年Kitaraオペラとして上演される作品、モーツァルト作曲「コジ・ファン・トゥッテ」(全二幕)の魅力をお伝えしたいと思います。

モーツァルトが台本作家ダ・ポンテとのコンビで完成させ、「フィガロの結婚」と「ドン・ジョヴァンニ」と並んでダ・ポンテ三部作と呼ばれます。

他のオペラに比べてアンサンブル(二重唱以上)の割合が多く、アンサンブルでのストーリーの推進力がとても大きい作品です。悲喜こもごもの感情がひとつの音楽の中で交差するアンサンブルは、モーツァルトオペラの真骨頂!もちろんアリア(独唱部分)も魅力的。登場人物のキャラクターがくっきり浮き出るアリアも楽しい作品です。

【あらすじ】

舞台は18世紀末、イタリアのナポリ。姉のフィオルディリージにはグリエルモ、妹のドラベッラにはフェランドという婚約者がいます。姉妹の変わらぬ愛を信じるグリエルモとフェランド。そんな二人を経験豊富な老哲学者ドン・アルフォンソは「女は誰でも心変わりするもの」と、笑い飛ばします。そこで、3人の男たちは、恋人たちの貞節を試す賭けをすることに。ドン・アルフォンソは、姉妹の召使いであるデスピーナを味方につけ、姉妹をそそのかします。

はじめは恋人に誓った愛を貫くため、まったく相手にしない姉妹ですが、「振り向いてくれないなら」と毒まで飲んだ(ふりをする)二人の熱烈な求愛に、次第に心が揺れ始め…。ついに全てを受け入れる姉妹。

そこで男たち3人から全ての種明かし。もろくも崩れた永遠の愛の誓いを前に、二組の恋人たちはどんな未来を選択するのか…。



この時代、上流階級では結婚は”家と家”のことであり、親の決めた相手と結婚するのが当たり前でした。姉妹はやっと15・16歳になった頃。恋に恋するお年頃です。”結婚する”ことにウキウキしていますが、果たしてそれって本当の愛…???
突然やって来た異国人たち。姉妹は自分の目で、耳で、心で、彼らと向き合い、自ら選び取った恋人との結婚まで決意します。そして変装していた男たちも気づきます。「自分たちは、恋人のことを何も知らなかったのかもしれない…。」と。
このオペラのタイトル、実はまだ続きがあるのです。「Così fan tutte,ossia La Scuola degli amanti」(コジ・ファン・トゥッテ、または恋人たちの学校)というのが正式タイトル。本当に愛する人を見つけるには?本当に幸せになるためには?若き恋人たちは、悩みながら舞台上の”学校”で学び、成長していきます。
1790年にこの作品を世に生み出したモーツァルトとダ・ポンテ。「階級や家柄で決める結婚ではなく、愛する人は自分の心で選び取るべき」という先進的な考えを持ち、それを社会にオペラという形でメッセージとして送り出していたのではないでしょうか。

さて、この二組の恋人たち、結末はどうなると思いますか?実は、楽譜にははっきりとした結末が書かれていません。ですから、演出家によってこのラストシーンは様々な演出があります。すべてを胸に納めて元のさやに戻るか、それとも新しい愛に生きるか…。
今回の演出は??? ぜひ会場へ、恋人たちの選ぶ道を見届けにお越しください!

ともに作品に向かい合ってきた仲間たち。休憩時間も笑いが絶えない稽古場です。










【KitaraHP】http://www.kitara-sapporo.or.jp/event/?p=22310

文責: 小平明子
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文責: 小平明子

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