ダビデのコラム

トリノ&ミステリー10

トリノで散歩をする場合、その目のやり場は"上向き"だけでなく"下向き"にも視線を払って行うという暗黙のルールがあります。特にLascaris通り、かつてフリー・メイソンの集会所があった場所(現在はVittorio広場に移転)を通ったら、その建物の角の通気口と地下部屋の明り取りの小窓がある所に、注意深く視線を向けてみて下さい。興味深い「ふたつの目」を見つけることができるでしょう。
これをフリー・メイソンに関連した、つまりエジプトにその起源をもつ彼らのシンボルで、彼らを象徴するイコノグラフィー(図像)の中に必ず描かれている"全能の目(プロビデンスの目)" と見なすことは、(全能の目は「一つ目」でもあることからも)飛躍しすぎているかもしれませんが、ついその様に詮索してみたくなります。
また他のフリー・メイソンのシンボル(コンパス、直角定規、垂球糸)は、現在でもAlfieri通り19番地の建物の木製の表門にその形跡を見つけることが出来ますが、この建物はフリー・メイソンによって建てられたものと言われています。
その近くにあるLascaris宮殿は、1700年代に建ったものですが、この建物の入り口、通路、そしてファサードの全てに、一揃いの(装飾用の)怪人面の数々が飾られています。その趣のある存在は"Guardiani della Soglia(入り口の番人)"の伝説に由来するもので、家の中の人を守ってくれるものとされています。

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イタリアのアニメ:La Pimpa(24)

タイトル:Pimpa, e' gia' inverno.


トリノ&ミステリー9

Solferino広場にたどりつくと、1929年建立の「Fontana delle Quattro Stagioni(四季の噴水)」を鑑賞することができますが、この噴水は本来トリノの大聖堂前に造られる予定だったものです。しかしカトリック教会側の反対に合い実現せず、その上ある歓迎されないあるもののシンボルとして仕立て上げられてしまったのです。
教会側は、その噴水が2人のフリー・メイソン会員、サヴォイア家の財産管理人Paolo BaiottiとGiovanni Rivaの意図によって造られようとしていたことを良く承知していたようです。カトリック教会側と"歓迎されない"フリー・メイソンとは全く折り合いがつかない二つの対立する存在でした。
しかし、この大きな噴水の勢いよく天に向かって上がる水流、ほとばしる水飛沫やその水の吹き出し口には一体どんな意味が込められているのでしょうか?
一見したところでは何も分かりません。其々が子供や花々や果実に4つの彫刻があり、その中の2人は女性で春と夏を表し、他の2人は男性が秋と冬を象徴しているとされ、
お互いがある基軸に対しちょうど反対の方角になるポジションで設置されています。そして、其々が先述の通り一つの季節(雰囲気や色合い等を含め)を体現しています。

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